小玉スイカを育てよう

0
1100
スイカを育てよう
スイカを育てよう
一般名 スイカ(西瓜)
分類 ウリ科スイカ属
発芽する地温 25~30度
生育温度 25度前後

生育条件

日当たりが良く、風通しの良い場所

栽培のポイント

ツルが長く伸びるため、広い場所が必要になります。

プランター栽培の場合、直径と深さが最低でも30cmはある大きめのものにしましょう。

花や実に栄養を行き渡らせるために「芽かき」という余分な「わき芽」をとる事と、茎の先端の生長点を摘み取る「摘芯」という作業を行いましょう。

小玉スイカを育てよう

小玉スイカの植え付け時期は、5月上旬から6月中旬で、収穫時期は7月上旬から9月上旬です。

種から育てることも出来ますが、連作障害や病気にも強い「接ぎ木苗」からの栽培がおススメです。

2つの苗で7~8個ほど収獲できます。

土づくり

1株あたり2m×2mの場所を用意して土づくりをします。

プランターで作る場合、直径・深さが最低でも30cmのものを用意しましょう。

 

苗の植え付けの1週間前までに、土壌酸度をpH5.5~6.5になるようにするため、苗を植え付ける場所全体に苦土石灰(100~150g/㎡)をまいて耕します。

 

植え付ける日に、直径・深さ30cm の穴を掘り、元肥となる追肥、肥料をいれ、その上から20cmほど土を盛り、直径30cmほどの山を作ったら上を平らにして、鞍つきの畝(うね)を作ります。

苗の植え付け

畝(うね)の中心に苗を入れる穴をあけて、水をたっぷりと与えて水がひいたら苗を植え付けます。

植え付け後は苗の周りに溝をつくって水が溜まるようにします。

スイカの鞍つき畝

マルチング

マルチングとは、畑の表面を紙やプラスチックフィルム、藁(ワラ)などで覆うことをいいます。

マルチングの効果としては以下のものがあります。

  • 温度変化の緩和
  • 害虫の発生を防ぐ
  • 肥料の流亡を防ぐ
  • 雑草が生えるのを抑える

 

スイカの場合、マルチングにはワラを使いますので、苗の周りにしっかりとまきましょう。

スイカの株の周りにワラ

摘芯と整枝

摘芯とは、子づるの方に栄養を与える為に生長点である先端を摘み取る作業です。

整枝とは、芽かき、摘芯、剪定といった作業のことで、これをする事で生長を促したり、実のつきを良くする事ができます。

 

小玉スイカは親づるよりも子づるに雌花が咲きやすいので、親づるを摘芯します。

 

親づるの本葉が5~7枚ついたら、一番新しい葉(7枚目の葉)のすぐ上の部分を摘み取りましょう。

 

摘芯して小づるが伸びてきたら、状態の良いものを3~4本残して他の小づるは摘み取ります。

残ったツルは絡まないように支柱に固定します。

 

小玉スイカは「1つのツルに1つの実」が基本となります。

あまり多くすると、甘みが弱くなったり大きく生長しなかったりするので、結実させる実よりも下の雌花は摘み取りましょう。

支柱

人工授粉

虫が受粉のお手伝いをしてくれるかどうかは確実ではないので、人工授粉で確実に実がなるようにしましょう。

 

「雌しべに雄花の花粉をこすり付ける」作業をするのですが、まず晴れた日の午前9時~10時までの間に行いましょう。

 

その時間を過ぎると美味しい実がなる確率が下がってしまいます。

 

次に、受粉させる日に咲いた、新鮮で元気な雄花を選びます。

雌花もできるだけ同じ日に咲いたものを選んで、雌しべに雄花の花粉をこすり付けます。

 

受粉から約35~40日が収獲するタイミングです。

 

これより早いと甘さが足りなかったり、遅いと食感が悪くなったりと、美味しくありません。

 

カレンダーに受粉した日付や収獲日を書いたり、スイカに日付を書いたタグなどを付けるようにして、収穫しましょう。

雌花
雄花

↑花の下が膨らんでいる方が雌花で、何もないのが雄花です。

追肥

実が鶏の卵大くらいの大きさ(ピンポン玉くらい)になった時期には、特に栄養が必要な為、追肥をして更に生長を促しましょう。

 

化成肥料30gを株の周りにまきます。

 

肥料を与えすぎても、葉ばかりが育ってしまって実がつかなくなってしまうので気を付けましょう。

 

あとは、2週間おきに30gまきます。

 

肥料の与えすぎもいけませんが、水も与えすぎないようにしましょう。

スイカは、高温と乾燥を好みます。

 

全く水を与えなくても、しおれない限りは問題ありませんが、プランターで栽培するときなどは、土が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。

摘果

摘果

実が複数ついてきたら、摘果を行います。

1本のツルに2個の実を残した状態で、他の実は小さいうちに切り取りましょう。

また、残した実の下には保護する目的としてマットやワラなどをしいておきます。

 

玉返し

日光に当たっていない部分は色がよく出ないので、収穫までの間に4~5回、実をひっくり返してあげましょう。

収穫

受粉から35~40日が収獲するタイミングです。

実を軽く叩いてみて、ポンポンと濁った音がしなければ収獲するのに適しています。

 

他の判断基準もあり、日光が当たらない部分が黄色く変色したり、実のついた節の葉が枯れていたり、といった事でも確認できます。

 

収穫は、ヘタの部分をハサミで切って行いましょう。

小玉スイカを収獲

困ったときの対処法・予防策

梅雨時期になると、「炭そ病」や「つる枝病」が発生しやすくなります。

対策としては、風通しをよくしたり水はけを良くするなどしましょう。

 

逆に乾燥しすぎると、「うどんこ病」が出ます。

敷きワラをするなどして保温するようにしましょう。

 

対策をしていても「つる割病」などが発生してしまった場合は、早急に株を処分しましょう。

Twitter で、炭そ病や、うどんこ病について投稿されているものを集めてみました。

うどん粉をまぶしたように白い粉が葉にかかっているように見える状態が、うどんこ病です。

早い段階で、薄めた酢や重曹をスプレーしましょう。

この時、薄める濃度が濃かったりすると枯れてしまったりするので注意が必要です。

害虫対策

アブラムシ、ハダニ、アザミウマ、ウリハムシなどが発生します。

防虫ネットを張ったり、発生したら早い段階で薬を散布しましょう。

藁とネット

カラス対策

せっかく実が出来て大きく育ってきているのに、カラスに食べられてしまう事もあります。

対策として、ネットをしておきましょう。

 

他の動物対策

ネットでも対策できますが、他にも金網や音や光、ニオイなどで脅かすものを設置するなどしましょう。

スイカのネット