サンハヤトはんだ付け技能練習セットではんだ付け検定の練習をしてみよう

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サンハヤトはんだ付け練習セット

サンハヤトはんだ付け技能練習セットを使ってハンダ付けの練習をしてみよう

ハンダ付けの練習

「はんだ付け検定」というものがあるのはご存じでしょうか?はんだ付け検定というのは、内閣府が認定した非営利活動法人「日本はんだ付け協会」が主催している、ハンダ付けの技能検定です。

趣味で電子工作をされる方や、製造業の現場でハンダ付けをされる方など、技術向上を目指す方におすすめの検定です。
「ハンダが付いて接続されていれば良い」という判断で、角(つの)があるハンダや穴が開いているハンダ、色が悪かったりひび割れているハンダ付けのままで使用したり、実際に電気を流していると、ショートしたり思わぬ事故に繋がる可能性があります。そうならない為にも、しっかりとハンダ付けの練習をして「はんだ付け検定」も受けてみませんか?
今回は、サンハヤトから販売されている「はんだ付け技能練習セットCT-ST10」を使って、ハンダ付けの練習をしてみてみました。

サンハヤトはんだ付け技能練習セットの中身

はんだ付け練習キットの中身

はんだ付け技能練習セットの中身

  • 基板 : 1枚
  • IC(1.27mmピッチSOPタイプ : 3個
  • チップ抵抗(2125、3216、3225): 各5個
  • コンデンサ(ディスクリートタイプ): 5個
  • スズメッキビニール線 AWG20茶色 : 2本
  • スズメッキビニール線 AWG24青色 : 4本
  • スズメッキビニール線 AWG26橙色 : 6本
  • スズメッキ線Φ0.6 : 8本
  • スズメッキ線Φ0.8 : 3本
  • 名前記入用ラベル : 1枚

この練習セットで出来ること

この練習セットでできるハンダ付けを一覧にしてみました。

  1. コンデンサを基板にハンダ付け
  2. ビニール線を基板にハンダ付け
  3. メッキ線を基板にハンダ付け
  4. メッキ線とビニール線をつなげて基板にハンダ付け
  5. チップ抵抗を基板にハンダ付け
  6. ICを基板にハンダ付け

この他にも、製作例はありますが、今回は上記の練習をしてみました。

サンハヤトはんだ付け練習セット

用意するもの

  • ハンダごて(コテ先は HAKKO T18-D12 を使用しました )
  • こて台
  • ハンダ(お好みのもの)

この他にも、ハンダのノリを良くするためにフラックスや、ハンダ吸取り線があると便利です。

ハンダ付けの練習手順

難易度の低そうなものからハンダ付けの練習を進めていきます。

  1. コンデンサを基板に取り付ける
  2. ビニール線を基板にハンダ付けする
  3. メッキ線とビニール線をハンダ付けして接続して基板に取り付ける
  4. チップ抵抗を取り付ける
  5. ICを基板に取り付ける

ハンダ付け 1 コンデンサを取り付ける

コンデンサを基板に取り付ける前に、コンデンサのリード線を適当な長さにニッパーでカットします。

基板の銅色の部分がハンダを付けるところですが、これをパターンといいます。

パターン(ハンダをつける部分)

コンデンサのオレンジ色の部分にはハンダは付かないので、このオレンジの部分がパターンにかからないような位置で、コンデンサのリード線とパターンとをはんだ付けします。

初めに片方のパターンのみにハンダを付けます。

今回はコテの温度は320℃で設定しました。
少しハンダ付けをしてみて、はんだの溶けが悪かったり、基板にはんだが乗りづらかった場合はコテの温度を上げたり、コテ先の種類を変えたりして様子をみます。
今回は問題なくハンダが付くようなので320℃の設定で進めます。

基板の下に作業台として耐熱板やシート等を敷いてください。
そのままハンダ付けをすると机が焦げたり素材によっては溶けたりする事があります。

母材(基板)をコテで温めてからハンダを足して予備ハンダをします。
片方のコンデンサのリード線を仮止めします。この時点では、ハンダに角(つの)などがあっても直さずに進めます。
仮止めをしたら、もう一方のリード線を今度は本止めします。
コテをあてて、ハンダを少し足します。
ハンダに角(つの)や穴があかないように仕上げます。
次に仮止めしていた方を本止めして、コンデンサの取り付けは完成です。

ハンダ付け 2 ビニール線を取り付ける

ビニール線を基板に取り付ける為には、ビニール線をストリッパーで剥きます。
ハンダ付けをする長さ位の長さで剥きます。

ビニール線を剥いたら、今度はビニール線を取り付ける部分の片側のパターンに予備ハンダをします。
予備ハンダをしたら、コテをその部分にあてて温めてからハンダを足して溶かし、剥いた線をその部分の穴に差し込むようにして仮止めします。

仮止めしたら、もう一方を反対側の穴に差し込むようにして、ハンダをして本止めします。
本止めしたら仮止めしていた方にもう一度コテをあてて新しいハンダを少し足して本止めして仕上げます。

ハンダ付け 3 メッキ線を取り付ける

パターンに予備ハンダをします。
長いメッキ線を取り付ける時は、パターンの端に予備ハンダをして、そこにメッキ線を、仮止め→本止め、の手順で行いますが、今回は短いため、パターン全体にハンダをつけてみました。
メッキ線が短いと、コテの熱がすぐに伝わってしまうため、メッキ線を真っすぐに取り付けるのが困難となります。ピンセット等で固定して行います。

今回はパターン全体にメッキ線を取り付けるだけの練習をしてしまいましたが、メッキ線を取り付ける練習としては、基板の裏側からメッキ線を通して、表側でメッキ線をパターンに沿って曲げてカットしてハンダ付けをする練習の方が実践では使う機会が多いです。

ハンダ付け 4 メッキ線とビニール線をハンダ付けしてから基板に取り付ける

ストリップしたビニール線を加工して、メッキ線につながてハンダ付けします。
今回はビニール線をストリップした部分を輪っかにして加工してから、そこにメッキ線を通してハンダ付けしました。
メッキ線は熱が伝わりやすいので、なるべく手で持たないようにするか、手で持ってもすぐに離すようにするなどして火傷に注意します。

メッキ線とビニール線をハンダ付けしたら、今度はメッキ線を基板にハンダ付けします。
先ほどのビニール線を基板にハンダ付けしたやり方と同じ方法です。

ハンダ付け 5 チップ抵抗を取り付ける

次にチップ抵抗を取り付けます。
抵抗には極性がないので、どの向きで取り付けても問題ありませんが、印字がしてある方(黒い方)を上に向けて取り付けます。

これまでのやり方と同様にして、まずは予備ハンダをしてからチップ抵抗をピンセットで挟んで持ち、上から見て真っすぐな状態にして取り付けます。
次にチップ抵抗をピンセット等で上から軽く押さえて、仮止めした部分にコテをあててチップ抵抗の浮きを沈めます。
ここでまた位置がずれたりするので真っすぐな状態にして本止めします。

ハンダ付け 6 ICを取り付ける

最後にICを取り付けます。
ICの足が基板の足にあたる部分と数が一致していませんが、ピッチ(足と足の間隔)は同じで練習用としては問題ないのでこのまま進めます。

ICも浮きやすい部品です。また、静電気で壊れたりしやすい部品ですので、日頃からなるべく素手で触れないようにします。
このICには極性がありますが練習用ということで、今回はICの表面のしるしを合わせるだけにします。

予備ハンダを一カ所してからICをピンセットで慎重に挟んで仮止めします。
全ての足がパターンに合うように位置を調整します。位置が合ったら、また上からICを押して浮きがないようにします。

足の多いICは、何カ所か仮止めをしてずれないようにします。今回のICは二か所仮止めすれば大丈夫そうだったので二か所仮止めしました。

仮止めが終わったら今度は、仮止めをしていない方から順番に本止めをしていきます。
足と足の間隔が狭いので、はんだが繋がってしまいやすいので気をつけながらハンダ付けします。
もし、ハンダがついて繋がってしまったら、取り除く方法がいくつかあります。

  1. ピンセットや爪楊枝などを使う
  2. フラックスを使用する
  3. ハンダ吸取り線を使用する
  4. 新しいハンダを足して取る

1つ目の方法は、ピンセットや先端を薄く加工した爪楊枝等を使います。
ピンセットか爪楊枝等をハンダで繋がってしまった部分にあてて、コテをあててハンダを切り離すようにします。
これでうまく出来なかったら、2つ目の方法を試します。

2つ目は、ハンダで繋がってしまった部分にフラックスを少しつけて、出来るだけコテ先にハンダが付着していない状態でコテをあてます。大体これでハンダが離れます。

3つ目の方法は、ハンダ吸取り線(ソルダーウィック)で、ハンダを吸取ります。
ハンダを吸取り部分に吸取り線をあてて、その上からコテをあてて吸取り線にハンダが吸取られたらコテを離します。熱が伝わりきっていない状態でコテを離すと、吸取り線と基板とかくっついてしまって取れない状態になるので注意します。

4つ目の方法は、少し慣れが必要かもしれませんが、ハンダで繋がってしまった部分にコテ先をあてて、ハンダを少し足して、ハンダがなじんだ瞬間でコテを離します。
イメージとしては、古いハンダに新しいハンダを足して「コテでハンダを取る」感じです。
ハンダの中にフラックスが含まれているので、それを利用してとる感じです。

サンハヤトはんだ付け技能練習セットは、製作例としては、基板の裏側からメッキ線を通して表側で線を曲げてハンダ付けするというのもありました。
使い方は工夫次第で他の練習にもなりますので、ハンダ付けの練習をして慣れてきたら「はんだ付け検定」にもチャレンジしてみましょう。