ラズベリーパイで本物の宇宙実験「Astro Pi プロジェクト」

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ASTRO Pi Raspberry Pi Fabshop

宇宙にあるラズベリーパイ「Astro Pi」

地上から上空400kmの位置には国際宇宙ステーション(International Space Station : ISS)があります。NASAを中心に世界各国の宇宙機関が技術を持ち合い、宇宙での様々な実験のために運用している施設です。

この国際宇宙ステーションの中にRaspberry Piで作ったAstro Pi (アストロ・パイ)という実験用コンピュータが用意されています。下の写真は3Dプリンタで出力したシャーシにラズベリーパイとセンスハットなどのモジュールを搭載して、LEDディスプレイとボタンを付けて実物と殆ど同じように動作するレプリカです。

ASTRO Pi Raspberry Pi Fabshop

アストロ・パイはヨーロッパで行われている「Astro Pi Challenge」と呼ばれるプロジェクトで使われているラズベリーパイで作った実験用コンピュータで、多くの子どもたちに実際の宇宙にあるラズベリーパイを使って科学実験を行う事で、宇宙開発を体験してもらおうという意図で作られたものです。

実際にコードを書いて、それらを国際宇宙ステーションにあるラズベリーパイ上で同様に動作させて宇宙実験を行います。このプロジェクトはヨーロッパ各国が出資して運用しているESA(欧州宇宙機関)の教育プロジェクトの一環としてラズベリーパイ財団と共に行われています。

Astro pi の中身にはRaspberry Pi とカメラモジュール、センスハット、スイッチコントローラーなどが入っていて、プッシュボタンも6個ついている仕様です。

シャーシの3DデータはSTL形式のファイルでダウンロードが可能です。

Astro Pi Flight Case のダウンロード

Astro Pi Challenge! アストロ・パイ・チャレンジ

Astro Pi チャレンジは残念ながら日本からは参加できないようになっていますが、ヨーロッパの子どもたちは認定された教育機関から参加できるようになっています。大きく分けて2つのミッションが用意されていて、1つはMISSION ZEROと呼ばれ、14歳以下でESAメンバーとして登録されているスクールまたはそのエリアの学校で、先生やメンターがついていればだれでも参加できます。

MISSION ZEROには特別なハードウェアが必要ないため、

>>MISSION ZEROを始める!

もう1つはMISSION SPACE LABと呼ばれるもので、19歳以下でチームを作りメンターや先生らのサポートを受けて参加します。MISSION SPACELABは参加したチームがプロジェクトを進め、ISSにあるAstroPiにコードを送り、実験を開始します。コンペティションになっていて優れた10のプロジェクトが勝者となります。

MISSION SPACE LABには毎年ガイドラインが用意されていて、どのようにプロジェクトを進めていくのかなどのチェックリストが用意されています。参加しなくても自分自身のプロジェクトとしてチャレンジしても楽しめるのではないでしょうか?

>>2019/2020 MISSION SPACE LAB ガイドライン(PDF)

ヨーロッパ各国で行われているイベントで、私たち日本から参加する場合は、ヨーロッパにいる先生の協力が必要ですので、なかなかヨーロッパとのコネクションが無いと参加は厳しいですが、正式な参加ができなくとも、参加法要やプロジェクトの進め方がこれほど細かく記されているので、自分自身のプロジェクトとして取り組む内容としても非常に有意義なものになります。

このプロジェクトを進めてみると、もしかしたらラズベリーパイを活用して新しい宇宙ビジネスが思いつくかもしれません。

文献はどれも英語ですから、Fabshopでも1つの例として今後日本語にして詳しい内容でご紹介していきたいと思います。

より詳しい内容はAstro Pi公式サイトにてご覧ください。

Astro pi 公式サイト(英語)
https://astro-pi.org/