第3章 第3話 インターネットの概要とWWW(ダブリュー・ダブリュー・ダブリュー)

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CS-3章 ネットワーク

【CS03-03】インターネットの概要とWWW(ダブリュー・ダブリュー・ダブリュー)

今私たちの生活はインターネットを使って成り立っているといっても過言ではないほど情報の伝達においてインターネットを活用しています。今ではスマートフォンを持っていれば常にインターネットに接続して情報を得る事ができます。

今回は、その「インターネット」についての概要を学びます。このネットワークの章ではインターネットをかなり深く掘り下げていきますので、今回の話でまずはざっくりとインターネットを知りましょう。

インターネットとWWW(World Wide Web:ワールドワイドウェブ)

インターネットとWWWという言葉は多くの場合同じ意味としてとらえられています。でも実はこの2つは同じインターネットを使った2つの異なるものの事を言っています。インターネットとはネットワークの1つの形態を指していて、WWWとはネットワーク上でのファイルシステムの事を言っています。それぞれ理解していきましょう。

インターネットとは?

インターネットとは非常に広大な数十億のデバイスが接続されて作られたネットワークです。接続されているデバイスには皆さんが持っているスマートフォンはもちろんの事、パソコンやルーター、サーバーコンピュータ、スーパーコンピュータなどがあります。皆さんのパソコンやスマートフォンは、第3章第1話で学んだクライアントとしてインターネットに接続されている場合が殆どです。

インターネットは世界中に広がるネットワークで、そこには情報サービスを提供するサーバーやそれを受けるクライアントとしてのパソコンやスマートフォンが接続されているネットワークです。

インター(Inter)には「繋がる」という意味があります。ネットワークとネットワークが繋がってインターネットという事です。前回の第2話で学んだ様々なネットワークトポロジーが接続されているという事になります。

インターネットとは世界中のネットワーク同士が繋がって形成されたネットワークそのものの事を指します。

internet-fabshop

WWWとは?

WWWはWorld Wide Web(ワールドワイドウェブ)の略で、直訳すると「世界規模のクモの巣」という意味になります。よく「ウェブサイト」とか「ウェブサーバー」なんて言う言葉が出てきますが、WWWの事をウェブと略して言う場合があります。

WWWはインターネット上で利用する「ファイルシステム」の事を指します。ファイルシステムとは今後データの章で詳しく解説していきますが、コンピュータやネットワーク上でデータを取り扱うための仕組みです。

例えばパソコンを使っていると作った書類があって、それをまとめるフォルダがあったりします。フォルダの中には更にフォルダを作ってデータを整理して利用しますが、こういったものをファイルシステムといいます。

Filesystem Fabshop

WWWのファイルシステムでは「ハイパーテキスト:Hypertext」と呼ばれる仕組みを利用します。テキストとは「文」の事を指しますので、Hyper、つまりテキストを超えたものと言う意味です。なぜハイパーなのかと言うと、文字時代にいろいろな仕掛けをすることができ、最もポピュラーなもので言えば、文字をクリックすると、別のドキュメントが呼び出される「リンク」という仕掛けをセットすることができたりするからです。

このシステムはWWWサーバーと呼ばれるWWWサービスを提供するコンピュータ上にドキュメントを保存して構築されます。そこに保存されたドキュメントはハイパーテキストという方式でリンクを設定することで、文字やイラストをクリックして移動していく事が出来るというものです。このハイパーテキストは普通にテキストエディタなどで作成できます。特別なHTML(HyperText Markup Language)と呼ばれるルールにそってテキストを書くと作成できます。

難しく感じるかもしれませんが、これは普通にインターネットを見るときに行っている動作です。

fabshop Hypertext

WebサイトとWebページ、そしてホームページ

これらの言葉も一般的に全部同じものとして使われている場合がありますが、厳密には違いますので1つずつ解説していきます。

まずWebサイトですが、サイトとは「場所」という意味があります。図のようにラップトップコンピュータやスマートフォンでインターネット上にある情報を見るときにはWebサイトと呼ばれる「場所」にアクセスしています。このサイトには一番最初のページ、いわゆるホームページというページがあり、ここにサイト内のいろいろなページに移動できるボタンや文字などが並んでいます。Webサイトと呼ばれる場所にはいくつもページが用意されていて、これらページの事をWebページと呼びます。Webページは先ほど勉強した「ハイパーテキスト」という書き方で書かれているため、文字やボタンをクリックすると違うWebページやWebサイトへ移動することができます。このような仕組みになっているのがWorld Wide Webという事になります。冒頭で直訳した「世界規模のクモの巣」というのは、このようにハイパーテキストで書かれたドキュメントが蜘蛛の巣のようにつながっていることから名づけられています。

まとめると、WebサイトWebページで構成されていてそのサイトの入り口となるメインのトップページの事を「ホームページ」と呼ぶという事です。

fabshop website

インターネットとWWWの簡単な歴史

インターネットは世界中にあるLANやMANなど様々なネットワークが相互乗り入れして更に巨大なネットワークになったものです。1969年にアメリカ西海岸にある大学や研究所を電話回線を使って接続しデータのやり取りができるようにしたARPANET(Advanced Research Projects Agency Network 高等研究計画局ネットワーク)が起源となっています。1970年代には全米の大学や各種団体、企業などが参加し、1990年代には一般企業も参入し、個人もインターネットに接続できるようになったため商用での利用が始まりました。

WWWの歴史

World Wide Webは1989年、イギリスのエンジニア、ティム・バーナーズ・リーがインターネット上で研究文書などを世界中の研究者が共有できるようにと考案し、無償で公開したのが始まりです。これは現在のウェブサイトの起源です。今まではドキュメントを探す時にフォルダを開いて研究資料などを探していたのですが、ハイパーテキストの登場により、ドキュメントを読んでいる際に、それに関連する情報のリンクを文書内に着けておけば、その文書にジャンプできるようになり、研究者同士での状況共有のスピードが格段に上がったわけです。世界中のドキュメントが繋がっているため、情報を探すのも非常に楽になったわけです。

インターネットの通信規約「TCP/IP」

この章の第1話で学んだようにネットワークを組んだ時には「通信の約束事」を決めないとデータのやり取りができません。

インターネットはネットワークとネットワークが相互乗り入れして巨大なネットワークを形成しています。つながったネットワーク同士が違う通信規約で動いていたのではデータのやり取りができません。

インターネットの通信規約は「TCP/IP」という2つのプロトコルで構成されています。これについては章を進めるにつれてより詳しく解説していきます。

ネットワークの高速化により様々なサービスが提供可能になった

インターネットは現在、ネットワークが高速になった事で一度に大量のデータが送れるようになりました。そのためインターネットを利用した様々なサービスが展開されています。主なインターネットのサービスを以下で簡単に紹介していきます。

  • 情報検索
    • 検索サービスを活用してインターネット上にある数十億のウェブサイトから自分に必要な情報を探してきます。スマートフォンなどの普及により地図上で目的地を検索し、ルート案内をしてもらうなど検索の用途も様々になってきました。
  • ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)
    • こちらもスマートフォンの普及により爆発的に利用者が増えたサービスです。facebookやTwitterなどが主なサービスで日本ではLINEなども人気です。友人同士での近況報告や電話の代わりに音声やテレビ電話としても利用できます。
  • インターネットショッピング
    • インターネットで24時間365日買い物ができます。インターネットでの買い物の支払いはクレジットカードが主流で、他にもPaypalや電子マネーなどインターネットの普及により登場した電子決済サービスも多数あります。
  • 動画配信・共有サービス
    • 動画と言えば今まではTVで見ていましたが、インターネットの高速化により動画も配信可能になりました。インターネット上でのTV局が増え、また個人でも動画を自由に配信できるようになったため、個人で放送局を始める人も増えました。
  • 音楽配信サービス
    • 今まではレコードからカセットテープ、CDなどハードウェアに音楽を記録して販売されていましたが、インターネットから直接コンピュータやスマートフォンに取り込んで音楽を聴くようになりました。自分の好きな曲だけを選んで購入することもできますが、最近では月額固定費用を支払えば世の中にある殆どの楽曲をいつでも自由に呼び出して聴くことができるサービスもあります。
  • オンラインバンキング
    • 今までATMや銀行の窓口で行っていた手続きが、インターネットを介して自宅で全てできるようになりました。残高照会、振り込みなど、銀行に足を運ぶ必要がなくなっています。
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  • ゲーム
    • 今まではゲーム機やパソコンの中だけで自分一人で楽しんでいたものが、インターネットを通じて対戦したり、協力して目的を達成するゲームなどが登場しました。
  • オンラインデータストレージサービス
    • 自分のデータをパソコンなどに保管しておくと、きちんとハードウェアの管理ができていないとデータが消えてしまう場合があります。そのような不安をなくすためにインターネット上の安全な場所にデータを預けるサービスがあります。パソコンが壊れたり、盗まれたりしても安心。
  • クラウドサービス
    • いままではパソコンの中にソフトをインストールしてデータもパソコン上に保管していましたが、スマートフォンやタブレット、ラップトップなど様々な環境で利用する用になり、それぞれの端末でデータを共有し同じアプリケーションを利用して使えるようになるとより便利になります。パソコンなどの端末にあったもの殆どをインターネット上に持っていき、いつでも自分の環境を引き出して付けるようにするサービスです。

このように現在ではインターネット上で様々なサービスが展開されています。ここでは主要なサービスをご紹介させていただきましたが、ビジネスではもっとより多くのサービスが多岐にわたって展開されています。

まとめ

今回はインターネットとWWWについての概要です。インターネットという世界中に繋がるネットワーク網を利用して様々なデバイスが接続され、様々なサービスが展開されていますが、元々は研究者同士がドキュメントを情報共有するためにWWWと言う仕組み作りました。ハイパーテキストの登場により文章を読みながら違うドキュメントへとナビゲートすることも出来るようになり、情報が見つけやすくなりました。その際に利用されている通信の規約はTCP/IPというものが利用されています。

次回、第4話ではこのインターネットでの通信の仕組みをより詳しく解説していきます。