学校の先生必見!micro:bit V1とV2が混在する教室での注意点と見分け方
イギリスのBBCが開発し、日本の小学校・中学校のプログラミング教育現場でも標準的に使われている教育向けマイコンボード「micro:bit(マイクロビット)」。
これから購入を検討している方や、学校・プログラミング教室の先生方から、「旧型のV1と新型のV2はどう違うの?」「V1用のテキストやプログラムはV2でも使えるの?」 というご相談を非常に多くいただきます。
結論から言うと、V2はV1の良さをそのままに、表現力と使いやすさが劇的にアップした正統進化版です。
この記事では、デジタルでのものづくりを推奨する「Fabshop(ファブショップ)」のスタッフが、カタログ上のスペックだけでなく、「実際の教育現場や作品づくりでどう変わるのか」というリアルな経験に基づいた視点で、micro:bit V1とV2の違いを徹底解説します。
V1とV2のスペックと発売日の比較
まずは、主要な違いを表で確認してみましょう。旧型のV1は2015年に英国で(日本では2017年に)登場し、新型のV2は2020年11月25日に発売されました。
| 機能・仕様 | micro:bit V1(旧型) | micro:bit V2(新型) |
| 発売時期(日本) | 2017年8月 | 2020年11月 |
| スピーカー | なし(外付けが必要) | あり(本体背面に内蔵) |
| マイク | なし | あり(本体内蔵・LEDインジケーター付) |
| タッチセンサー | なし(ピンでのみ対応) | あり(表面のロゴマーク部分) |
| 電源OFF機能 | なし(ケーブルを抜く) | あり(リセットボタン長押しでスリープ) |
| エッジコネクタ | 平らな形状 | くぼみあり(ワニ口クリップが外れにくい) |
| CPU(処理速度) | 16MHz | 64MHz(約4倍速い) |
| メモリ(RAM) | 16KB | 128KB(約8倍・AIや機械学習にも対応) |
数値上の進化を直感的に確認したい場合は、以下のインタラクティブウィジェットを操作して、V1とV2の性能差を比較してみてください。
ひと目でわかる!実物での見分け方
学校の備品などでV1とV2が混ざってしまった場合、どこを見れば良いのでしょうか?以下の比較画像と3つのポイントを押さえれば、すぐに見分けることができます。


- 表面のロゴマーク(最も簡単!):
- V2: ロゴが金色(銅色)で、触れると反応するタッチセンサーになっています。
- V1: ロゴは左上のデザインと同じ色でプリントされているだけです。
- 裏面のスピーカー:
- V2: 裏面中央に黒い四角い部品(スピーカー)が付いています。
- 裏面のアンテナ形状:
- V2: 左上に金色のギザギザとしたアンテナ模様が露出しています。


教育現場目線で解説!V2の「4つの劇的な進化」
単なるスペックアップではなく、新機能が「実際の遊びや学び」にどう影響するのか、専門店ならではの視点で解説します。
① スピーカー内蔵で「音を鳴らす」のが圧倒的に簡単に!
V1の最大の泣き所は「本体だけで音が出せない」ことでした。音を鳴らすには、ワニ口クリップを使って外付けのスピーカーやイヤホンを繋ぐ必要があり、小学校低学年の子供には少しハードルが高かったのです。
V2では背面にスピーカーが内蔵されたため、パソコンからプログラムを書き込むだけで、すぐにメロディを鳴らしたり、ゲームの効果音を出したりできるようになりました。ワークショップ現場でも、子供たちの「音が鳴った!」という最初の感動が全く違います。
② マイク内蔵で「音に反応する」プログラムが可能に
V2には新たにMEMSマイクが搭載されました。これにより「手を叩いたらLEDを光らせる」「声の大きさを測って騒音計を作る」といったプログラムが、追加の部品なしで作れます。
マイクが音を拾っているときは、表面の赤いLEDインジケーターが光るため、プライバシーや動作確認の面でも安心設計となっています。
③ ロゴマークが「第3のボタン(タッチセンサー)」に
V1にはAボタンとBボタンの2つしか入力ボタンがありませんでした。
V2では、表面上部にある金色の「顔のロゴマーク」が静電容量式のタッチセンサーになっています。スマホの画面のように、指で触れるだけでプログラムを動かすトリガーとして使えるため、もぐらたたきなどのゲームの操作性が大きく向上しました。
④ ワニ口クリップが外れにくい「くぼみ」の追加(現場の救世主!)
実は、現場の先生方から最も喜ばれている地味な改善点がこれです。
下部の金色の端子(エッジコネクタ)に、V2では少し「くぼみ(ノッチ)」が追加されました。これにより、電子工作で必須となる「ワニ口クリップ」を挟んだ際に、滑って隣の端子とショート(短絡)してしまうトラブルが激減しました。数十人の生徒を見る先生にとって、この物理的な改善は計り知れないメリットがあります。
⑤処理能力の向上について
メモリが16KBから128KBへと8倍になったことで、近年教育現場で注目されている「AI(人工知能)」や「機械学習」の処理(音声認識など)も、V2であればスムーズに実行できるようになりました。
プログラムの互換性について:V1のコードはV2で動く?
学校や教室ですでにV1を導入している場合、一番気になるのが「互換性」ですよね。
結論から言うと、基本的には完全な互換性があります。
Micro:bit Educational Foundation(教育財団)の仕様により、現在のMakeCode(ブロックプログラミング画面)で作成したプログラム(.hexファイル)は、「ユニバーサルHex」という形式になっています。これは、V1・V2のどちらの基板に書き込んでも、自動的にバージョンを判断して正しく動作する賢い仕組みです。
【教育現場での注意点】
当然ですが、「音を鳴らす」「ロゴをタッチする」といったV2にしかない機能を使ったプログラムをV1に書き込んでも機能しません(エラーにはならず、無視されるか、外付けピンへの出力となります)。
教育現場でV1とV2が混在する場合は、「今日はV1でもV2でもできる機能(LEDや傾きセンサーなど)だけを使う」といった授業設計の工夫が必要です。
「V1」の生産は終了。これから買うなら「V2」になります。
micro:bit V1とV2の違いを振り返りましょう。
- 音と声が使える: スピーカーとマイクが本体に内蔵された(V2のみ)
- 操作が増えた: ロゴマークがタッチセンサーになった(V2のみ)
- 工作しやすい: ワニ口クリップが外れにくい形状になった(V2のみ)
- 性能が段違い: メモリが8倍になりAI学習にも対応可能に(V2のみ)
- 互換性あり: V1用の既存のテキストやプログラムはそのままV2でも使える
現在、市場に流通している新品のmicro:bitはほとんどがV2(正確には半導体不足に対応したV2.2等のマイナーチェンジ版)に移行しています。






