ハンダ付けの相棒「ピンセット」について

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微細な作業に適したピンセット選びを

ハンダ付け作業は微細な箇所に対しての作業も多くあります。
表面実装のチップ部品などを取り付ける際に欠かせないのが「ピンセット」。さまざまな形状のものが市販されており、用途に合わせて使い分けるのが重要です。

ピンセットの材質

電子回路制作で使用されるピンセットの材質は主に「ステンレス」と「チタン」があります。

ステンレス製のピンセット

一般的に使用されるピンセットです。価格も比較的廉価で、いろいろな形状のものが選べます。
ステンレス製のピンセットを使用する際の注意点ですが、

  • 熱が伝わりやすい
    ハンダ付けの際に、ピンセットがハンダ付け箇所に接しているとピンセットに熱が流れるので作業性が悪い。特に表面実装のチップ部品などをハンダ付けする際に、ハンダ箇所にピンセットの先端が触れている状況や、挿入実装部品のリードをピンセットでつかんでハンダ付けする際などに気になるポイントです。
  • 使用している間に「帯磁」することがある
    ステンレス製のピンセットは使っている間に「帯磁」と言って、ピンセットが磁石のように磁気を持ってしまうことがあります。帯磁したピンセットを使用すると、チップ部品などが磁力でピンセットにくっついてしまい、作業しずらいことがあります。
  • ハンダが付着することがある
    ピンセットが高温になる場面では、ピンセットにハンダが付着することもあります(ただ、ハンダ付けの温度帯ではあまり考慮しなくてもよい事象です)。

チタン製のピンセット

材質にチタンを使用しているピンセットは軽量で強度が高く、熱伝導性も低いです。また、ステンレス製のピンセットと違い、帯磁することもないため作業性に優れています。ハンダも付着しません。
しかしながら、高価であるため、頻繁に購入できないのが難点です。

おすすめピンセット 3本!

以下のピンセットがあれば、ほとんどの電子工作(ハンダ付け)に対応できます。

エンジニア PT-17 鉄腕ピンセット


本体が肉厚のステンレスでできているため、チップ部品などをつまんだ際にも先端がたわまないためつかみやすいです。先端が1.3mm幅のため、少し大きめの部品にも対応できます。先端がたわむピンセットの場合、チップ部品をつかんだときにバネのようになり部品をはじいてしまうので、高強度の本製品をおすすめします。

エンジニア PT-07 ステンレスピンセット


先端が矢形になっているピンセットです。部品をつかむ側にギザギザがあるので、部品をつかんだ際にしっかりとホールドできるのが特徴です。

エンジニア PTN-03 チタンピンセット


こちらはチタン製のピンセットです。小さな表面実装部品などをつかむ際に向いています。先曲がりの形状なので、自然な角度で部品を保持することができ、狭い場所での作業にも向いています。

100円のピンセットと上記のピンセットの違い

ステンレス製のピンセットなら100円ショップでも買える、のですが、前述したようなピンセットは精度が高く作られているため、先端がぴったりと合わさります。100円ショップのピンセットは閉じたときに先端がぴったり合わなかったり、下手すると先端の長さが違ったりすることもあるので、電子工作には不向きです。

道具、大事ですよ

ハンダ付けや電子工作に使用する道具は、精度が高く作られているものを使用すると作業性が格段にアップします。よい道具をそろえれば、使い方次第で一生使えるレベルのものも多いので、自分に合った良い道具を選び、大切に使いましょう。