第2章-第8話ハードウェアとネットの進化で暮らしが変わる

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CS-2章 ハードウェアを理解しよう

【CS02-08】ハードウェアとネットの進化で暮らしが変わる

第2章では、コンピュータのハードウェアを全体的に学んできました。今回でハードウェアに関する話題はいったんまとめになります。ただし、今回のハードウェアの知識をベースに今後の章の中でもハードウェアについては更に触れていきますので基礎はもう一度しっかり押さえておきましょう。

まずは、最も身近なコンピュータ「パソコン」についてです。パソコンは部品だけ買ってきて組み立てることができるのですが、それは意外と簡単に出来る事です。必要な部品が何かを知っていればあとはケーブルを接続する程度です。接続で一番難しい作業と言えばドライバでネジを回す事くらいでしょうか。

様々な電子部品で作られているパソコンのハードウェア

パソコンのハードウェアは、様々な電子部品や集積回路などを組み合わせた部品から出来上がっています。パソコンのマザーボードなどは、大きな基板の上に沢山の電子部品やコネクタ類が並んでいます。

コンピュータのマザーボードにはRAM(メモリ)を刺すメモリスロットやCPUスロットなどが並んでいて、その周りにも様々な電子部品が搭載されています。写真の水色のスロットがメモリを搭載するスロットで、このマザーボードには2つのRAMスロットがついています。中央の黒い板状の場所にはCPUを置きます。マザーボードにはUSBポートやEthernetポート、モニタ出力、音声入出力などは元々搭載されています。

もし自分でパソコンを組み立ててみようと思ったら、必要な部品をそろえ、組み上げていきます。ここまでハードウェアを学んできていればどんな部品が必要か何となくイメージがつくかもしれませんが、パソコン組み立てに必要な部品をご紹介します。

マザーボード

このマザーボードは、DDR3という種類のRAM(メモリ)を搭載できます。HDDやSSDとの接続はM-SATAという方式で接続しますから、それに対応したストレージを購入します。また、CPUも搭載できる種類がありますのでチェックが必要です。

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RAM(メモリ)

写真のメモリは、DDR3で1枚が8GBあります。先ほどのマザーボードにスロットが2つあるので、合計16GBのメモリになります。

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CPU(Intel Core-i5)

この写真のものはCPUファンもセットで販売されているもので、マザーボードのCPUスロットの黒い部分を開けてCPUを挟み、しっかりとロックをしたらそのCPUの上にファンを固定します。

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内蔵型HDD/SSD

ハードディスクドライブ(HDD)は、データを保管するための保存領域で、ソフトウェアなどもこの中に保管され、使う時にメモリ(RAM)に展開されて利用します。同じようなものにソリッドステートドライブ(SSD)があります。HDDは中で円盤が回転していますが、SSDはフラッシュメモリと呼ばれる電子部品が基板上に並んでいます。SSDの方が高速で、かつ消耗しにくいですが、コストがかかります。

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ケースファン

CPUやマザーボードから出る熱はとても高温になります。この熱がケースの中にこもってしまうと熱でパソコンが正常に動かなくなります。そのためケースには何カ所かにファンを付けて中へ空気を取り込んだり、中から空気を送りだしたりします。

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内蔵型DVD/BDドライブ

最近ではDVDなどのメディアもあまり使わなくなってきたため、DVDやBR(ブルーレイ)ドライブも搭載しない場合も増えてきましたが、自作の場合、OSインストールの際に別のパソコンでOSイメージをDVDに焼いてインストールすることがあるためあると便利です。外付けのUSBのものでも良いでしょう。

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電源ユニット

マザーボードに電源を供給したり、HDDやSSD、DVDドライブなどにも電源を供給するためのユニットです。写真のものは500Wですが、もしマザーボードにグラフィックボードを追加したりその他のボードなどをPCIユニットに差し込むようであれば500Wでは足りなくなる可能性もあります。どれくらいの電力が必要かを考えて電源を選びます。

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シャーシ(ケース)

マザーボード、ハードディスク、電源などを搭載するケースです。マザーボードのサイズや電源サイズにあったものを購入します。ケースにはいろいろなデザインとサイズがあります。

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これら部品は普通の家電量販店などではあまり扱っておらず、パソコンパーツの専門店などで購入するかインターネットなどで注文します。このように部品だけでも購入できるというのは、パソコンを自作する人たちのためです。

なぜパソコンを自作するのか?

一般的に発売されているパソコンは多くの人を対象とするため、様々なニーズが盛り込まれています。そのため極度に処理能力が高いパソコンや何かに特化したパソコンというのはなかなか手に入らないわけです。ある程度コンピュータを使っている人たちにとっては汎用的なパソコンをより自分の使う用途に特化した形にカスタマイズしたいという要望があるのです。

かつてはもう1つの理由もありました。それは「価格を安く抑えられる」というものです。汎用的なコンピュータのスペックをさらに落として価格を抑えるという事ですが、今ではメーカーや販売店オリジナルモデルを購入したほうが圧倒的に安く上がります。自作パソコンは部品保証はあっても本体全体としての保証がありません。

つまり、最近では価格を下げるような自作はあまり意味が無く、販売されてない高スペックなコンピュータを作るため、もしくは特別な仕様のコンピュータを組むために自作が行われます。なかには趣味として、パソコンは自作以外使わないという人たちも存在します。

インフラと共に進化するハードウェアの世界

2020年からは携帯電話の通信網が第5世代、5Gとなります。これにより通信速度が飛躍的に向上するため、もはやWiFiスポットなどを利用する意味があまりなくなってきます。これによりIoTの普及にますます期待が寄せられます。通信インフラが向上することによりコンピュータは当たり前のようにあらゆるところに搭載されるようになり、いつのまにかインターネットに接続され、意識せずにコンピュータをだれもが活用するようになってきます。

買い物も劇的に進化

インターネットの高速化や端末の普及、低価格化によりコンビニやスーパーに設置されたハードウェアも進化を遂げています。

日本でもキャッシュレス決済の導入を本格的に政府が後押しするようになりました。我が国ではクレジットカードがあまり一般的でないため”電子財布”ともいうべき方法にシフトしています。これは、スマートフォンなどの端末をお財布の代わりにしようというもので、お財布ケータイなどの名前で広まっています。現金と同じ考え方で、携帯などの電子端末にお金をチャージしてそこにチャージされている金額以上の買い物はできないという仕組みです。コンビニ店頭や銀行口座からお金をチャージすることができます。

クレジットカードも進化しています。カード自体をスマートフォンにチャージしておくことで、買い物の際にスマートフォンについているカメラまたは指紋認証を使ってカード決済を完了できます。

これにより、買い物時にレジ前にあるセンサーに携帯電話をかざすだけで買い物支払いができるようになっています。もう小銭を探すこともないでしょう。

センサーの塊、無人店舗

キャッシュレスの次はスタッフレス店舗です。Amazonなどが既にスタートさせている無人店舗もクラウド化(クラウドについては今後インターネットの章で詳しく学びます。)通信インフラの進化、センサー・コンピュータの進化により実現されています。

入場時にスマートフォンでチェックインし、あとは店内でほしいものを棚から取ってそのまま店を出ればオンラインで決済も完了します。自動運転技術などにも搭載されている画像認識や人工知能などにより実現しています。

次の動画で実際の買い物の様子を見る事ができます。

IoTを理解していく為に

前回までにIoT「モノのインターネット」に関する話しをしてきましたが、このようにモノがインターネットと連携して人々の生活を便利にしていきます。一方でよくわからないものを利用するというのはとても怖いものでもあります。しかし使っていかなければIoTについて、いつまでたっても理解できません。ハードウェア第6話でコネクテッド家電について触れましたが、決済に関わることでなくてもIoTを身近に感じる事ができるものは沢山あります。

やがて、より意識しない中でコンピュータやインターネットによりコントロールされる社会になっていく事が予想されます。便利になる反面、今までにない運用方法も理解していかなければなりません。もしよく利用しているスーパーマーケットがある日突然キャッシュレスにしか対応しなくなったり、人が居なくなった時、その準備ができていなければモノが買えなくなってしまいます。

根底にはコンピュータがあるわけです。つまり今後、より情報やコンピューターのリテラシーが問われる時代になっていくということです。

次回からは第3章「ネットワーク」の話しに入ります。